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機械系エンジニア向けの転職に役立つスキル【20代向け転職情報】

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仕事で身につくスキルは大きく分けて2つあります。1つ目がどこの会社でも役に立つ汎用スキルです。2つ目がその会社でしか役に立たない会社専門スキルです。その会社で一生働くつもりであれば、会社専門スキルを磨き続けるのも良いでしょう。しかし将来的な転職や倒産等のリスクヘッジとして自分の価値を高めることを考えた場合、1つ目の汎用スキルを身につけるべきです。

 

それでは機械系技術者目線で他社でも通用する汎用スキルを紹介します。

 

 

他社でも通用する汎用スキル

製図スキル

図面を読む力

JIS製図ルールを理解し、二次元の図面から三次元構造をイメージできること。組図と部品図から全体構成を理解できること。材料からその部材の特性を理解できること。機械系エンジニアが物作りをする際には必須のスキルと言えるでしょう。

 

図面を書く力

具体的にはCADスキルになります。CADは二次元、三次元で使い方は大きく異なります。世の中では三次元を使う企業が増えており、環境が揃っているならば三次元のCADスキルを身につけるべきです。CAD設計が出来れば図面を読む力も自然とつきます。細かい話ですが製図は対象物によって必要なスキルが異なります。使う材料、寸法公差、物が動いた時の干渉、ネジや継ぎ手の規格、耐圧、耐熱、重さ等、対象物によって様々なことを考えながら設計を行います。対象物の例としては製缶、細密部品、駆動系、設備などがあり、それらで必要な基礎知識は異なります。

 

機械加工の知識

図面を書いたり製作を依頼する際に加工の知識は必需品です。どの様な方法でどの様に加工するのかをイメージしながら製図しなければ図面は完璧だけど製作できませんということもあります。加工方法としては、フライス、旋盤、エンドミル、ボール盤、溶接等があります。それらを組み合わせて形状を作ります。

 

シミュレーションスキル

気流や熱の解析をするスキルです。計算と解析にはfluent等の専用のシミュレーションソフトが必要です。シミュレーションはモデリング(解析対象モデルの作成)、メッシュ作製(モデルを計算要素として分割する)、計算条件設定、計算、計算結果の解釈というステップで行われます。それら1つ1つにはスキルが必要です。昨今は効率的なモノづくりが求められており、シミュレーションは有効なツールとして認識されています。シミュレーション対象も気流、熱、構造強度、振動、電磁波など様々であり、シミュレーション対象が異なると必要な基礎知識が異なります。

 

品質工学

安定した品質の製品を作る為に使われる実験手法です。品質工学自体は学問として成立しており、大学で学ぶこともできます。製品の品質は必ずバラツキますが、このバラツキを抑えるための製品のパラメーターや量産条件を効率的に見つける手法が品質工学になります。品質工学の理論から実践まで一通り理解し使いこなすことができると非常に強い武器になるでしょう。

 

法律知識

技術者の仕事は意外に法律と関わる機会があります。具体的には安全衛生法や消防法などです。爆発性の危険物を法に則った形で管理したり、規制が必要な物質を扱う際には法に則った形で環境整備が必要です。場合によっては申請書を書いて官公庁に提出を行う場合もあり、そういった際に法律を知っておくと有利です。

 

分析技術

どんな種類の分析装置があって、そこからどんなことが分かるのかといったことを知っておくのは役立つ知識です。製品開発から生産準備までどんな場面でも分析が必要になることはあります。その際に沢山ある分析手法から最適なものを選択でき正しく結果を解釈するにはそれなりの知識と経験が必要です。それらに長けている人は機械技術者にはそれ程、多くないため知識を持っており、自分で測定や分析まで出来ると強みとなる技術です。

 

計画の立案

エンジニアの仕事はプロジェクトが多く、それなりの長期間で1つの仕事に取り組みます。日程計画を立て、それに従って仕事を進めるというのが基本的な形です。計画を立てるにしても何にどれくらいの時間がかかるのか、日程遅延リスクに対してリスクヘッジをどうするのかといったことを考えながら計画を立てることは何処へ行っても必要なスキルです。

 

社内でしか通用しないスキル

一方で転職で役に立たないスキルもあります。これは言うまでもありませんが、その会社独自のルールで、特に非効率的なルールや仕組みは身につけてもあまり為にはなりません。

社内システムの理解

会社のルールや標準は会社によって様々です。これを理解することは業務を進める為には重要ですが、それ以上の意味を持ちません。業務を問題なく遂行できるだけの理解があれば十分です。

 

非効率的な仕事全般

非効率的な仕事やルールは覚えてもスキルにはなりません。書類を回してハンコを貰いまくったり、スケジュール調整の為に奔走したり、議事録を一字一句正確に記載したり、紙の書類を丁寧にファイリングしたりといったことは、あまりその人の為になりません。非効率な作業は社会全体で減っていますが未だに存在していることも事実です。これらは、やがてシステムの導入で無くなります。また非効率的なやり方を学ぶというのは自分の成長を妨げる行為にもなります。

 

技術を深く狭く身につけるべきか、浅く広く身につけるべきか

これは完全にケースバイケースです。自分が好きなほうを選べば、それに準じた道が開けるでしょう。スキルを深く身につけた場合は、その分野については周りから絶対の信頼を得ることができ、専門家のような立ち位置になっていきます。一人で自分の好きな仕事に没頭するような仕事のスタイルになります。転職でも同じ様な仕事に就く可能性が高くなります。

スキルを広く身につけた場合は、何でも屋的な立ち位置になります。どんな課題に対しても広い知識の中から最適なスキルで解決へ導くことが出来ますが、問題が大きい場合は、より専門的な知識を有している人の判断を仰ぐことになります。様々な情報を統合し判断を正しく行う、管理職的な立ち位置になるでしょう。転職でも就ける仕事の幅は広がりますが、深い技術は有していないということを自分で認識した上で仕事を選ぶのが良いでしょう。誤って専門家として迎え入れられるとスキルの未熟さを痛感することになります。